昨年10月から今年3月までの第64回三段リーグ戦で14勝4敗し、今年3月プロ棋士となった出口若武(でぐちわかむ)さんにお話しを伺いました。
(写真提供:神戸新聞社)
小学生のころ、たまたま遊びで教えてもらった将棋にはまり、通っている学校で開かれた大会に出場。運よく勝ち進み、県大会で優勝。このことがきっかけで将棋教室に通うようになり、徐々に力がつき、プロ棋士になるための「奨励会」に入会されました。奨励会は6級から三段まであり、成績により順に昇級。最上位の三段になった段階で年2回リーグの上位2名が四段となって、プロ棋士となります。いかにミスを少なくするかが勝利の分け目のようで、「集中しすべてが思い通りに進んで勝ったときは達成感でいっぱいですが、負けた時は死にたいくらい。」と思う時もあるそうです。今はAI活用が当たり前で、思いもよらない攻め方を教えられることもあり、新たな発見をすることも多いそうです。
プロには「竜王戦」や「名人戦」など8つのタイトル戦と7つの公式試合があり、長丁場の大会では最長12時間に及ぶこともあるようです。途中の食事休憩では、大半の棋士が出前を注文。中にはバナナを注文される方もあるとか。出口さんは麺類や、長引きそうなら丼物、疲れた時には甘いものが欲しくなるとのこと。大会以外にも研究会やアマチュア試合の審査、小学生の将棋合宿など、全国を飛び回る多忙な日々が続くそうです。
教育熱心なお母さまの影響で「学力の高いところがいいから」と北高を進学先に選択。「入学当時は勉強を頑張っていたけど、17歳でプロまであと一歩となり、だんだん勉強が疎かに・・・。」クラスメイトとよくボードゲームで遊んでいたし、今でも一緒に食事をすることも度々。北高に進学してよかったと、振り返っておられました。
昇段記念の扇 鷹揚自若(おうようじじゃく) (落ち着いて何事にも動揺しない様子) |
「プロは厳しい世界。自分でこうと決めても、うまくいかないこともあるので、あまり深く考えすぎないようにしています。親の期待や夢もあると思いますが、自分がやりたいことをやるのが一番だと思います。最後はどうにかなりますよ。」と笑顔でメッセージをいただきました。
みなさん、出口プロの活躍にご期待ください。
〒674-0053
明石市大久保町松陰364-1
明石北高等学校内同窓会事務局
TEL&FAX
TEL078-995-8158