明石といえば鯛、タコ、魚。魚と言えば「魚の棚」と、いうことで今回は老舗魚屋「松庄」の社長である北高7回生の松谷さんをご紹介します。江戸末期、この地で魚屋を営んでいた松谷庄蔵さん名前の頭文字を取って「松庄」となったのが店名の由来で、佳邦さんは5代目にあたります。
北高卒業後、京都の大学に進学し、スーパーに就職。配属は上司の配慮!?か、鮮魚部門。この時は家業を継ぐとは全く意識になかったとか。お父様もいずれは番頭さんに継いでもらえばいいと考えておられたそうです。しかし、30歳を前にお父様が病に倒れ、悩んだ結果、継ぐことに。その後は波乱万丈の日々が続きます。
従業員には、よそ者扱い。経営方針も異なりぶつかってばかりだったとか。店舗も阪神淡路大震災の影響と老朽化で、作業効率を考えビルに建て直し。しかし莫大な借金を背負うことに。継いだ直後は景気もよく売り上げも好調でしたが、消費者の買い物動向も変わり、仕入れれば売れる時代ではなくなりました。そんな中、奥様からが「ダメだったら0から出直したらいいよ。」と、うれしい言葉が。それから度胸も据わり、自分カラーの店づくりを目指します。取り扱う魚は、前もの(明石産)にこだわり、お客が込み合う時間に行われる明石浦の昼市に出向き、漁師と向き合って仕入れます。お客様の顔を見ながら調理できるよう、大きなまな板を中央に設置。PTAや地域活動を通じて多くの人と話をする機会を得たこのことが、仕事にも生かされてるかもしれない。高校時代おとなしかった松谷さんを、同級生が見たら驚いているようです。
後輩のみなさんへ「夢が叶わない事もたくさんあります。仮に野球選手を目指していた方は、なぜ選手を目指したのですか? 例えば自分のプレーでみんなを元気にしたいという真の理由があるはず。それなら選手でなくても、その理由が叶えられる仕事を目指せばいいじゃないですか。きっと誰かが支えてくれるし、望めば希望は叶います。そして卒業生のみなさん、魚屋で買い物する家庭が減っていますが、たまには生の蛸を買って調理してみてください。スーパーの冷凍ものとは味がまったく違います。美味しい食事は家族の会話が増えますよ。」と、しっかりお店のPRもいただきました。
明石魚の棚「松庄」http://www.matsusyo.co.jp/ |
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